スクールカウンセラー

 2001年度からは、文部科学省下において「スクールカウンセラー活用事業補助」と事業名を新たにし、全公立中学校への配置・派遣へ向けさらに本格的に制度化された。事業開始後のスクールカウンセラー配置・派遣校は全国10,000校を超え、特に2008年度からは全公立学校への配置・派遣が計画的に進められています。

 

 市町村によって、体制にばらつきがあります。「全ての小中学校に一人ずつ、週3回来てます。カウンセリングルームもあります」というところもあれば、「市に1人。小中学校の担任の先生に申し出たら、学校や市役所の会議室などでカウンセリングをします」というところもあります。資格は臨床心理士のことが多いです。力量に至っては、経験年数や経歴からでは測りにくいのが現状です。

 

カウンセリングは無料。基本的には、教育委員会に雇用されています。カウンセリングの対象は、児童生徒だけということろもありますが、保護者や子育てに悩んでる人、教職員にもカウンセリングしてくれるというところもあります。

 

スクールカウンセラーの他に、スクールソーシャルワーカーがいる市町村もあります。 

 

 

「子どもが学校に行きたくないといったので、まずはスクールカウンセラーさんに相談しました」という方も多いです。

「なんか役に立たなかった~」という話も聞きます。。

保護者の側が、「スクールカウンセラーはこんなことをしてくれる」と思っていること、彼らが「やっていいこと」「してくれること」「してはいけないこと」にギャップがある場合が多いです。

上手に活用するには、ちょっとコツがあります。

 

「聴くだけ」(聞く✖ 訊く✖)

「きっとなにか解決策を出してくれて、しかも、子どもや先生に対応して解決を図ってくれるはず。この人に任せておけば、全部やってくれる」と思ってスクールカウンセラーさんに合う人もいるようですが、基本、話を「聴くだけ」です。

 

「じゃー。何の役にも立たないじゃないの!」と言われそうですが、すごく役に立ちます。

1時間、あなたの話を否定せず「そうでしたか」「うん、うん」と聴いてくれる、ときには、「その時、大変お困りになったでしょう」「辛かったのではありませんか?」と気持ちや感情を汲み取ってくれたり、寄り添ってくれたりする。

 そういう人が、あなたの周りにいますか?夫に話すと「お前の育て方が悪いんじゃないか?」とせめられ、親に話すと「どうなってるの?」と理解されず、友人に話すと「叩いてでも行かせたらいいのよ」「大丈夫よ」「仕事辞めたほうがいいんじゃない?」などと、非現実的だったり、根拠のない不適切なアドバイスをもらうこともあります。ただただ否定せずに話を1時間も聴いてくれる人はそうはいません。(スクールカウンセラーさんだって、仕事だからしてくれるのであって、プライベートでは違うかも?)

 

「話すだけでどうなるのよ?」と言われそうですね。

話すことで、物事が整理できたり客観的に捉えられたりします。話すことは、吐き出すことにもなります。「何の役にも立たなかったけど、気持ちがすっきりした。頭が軽くなった」と感じたら、「役に立った時間」だったのではないでしょうか?

 さらに、「話してるうちになんかわかってきた」とか、新しいアイデアが浮かんだのなら、さらに「役に立ってる」と言えるでしょう。

 

スクールカウンセラーに助言が欲しいとき

「そうはいっても子どもの心を専門的に知ってる人じゃないの?」というのも確かで、基本的な知識は持ってる方が多いです。

「じゃー、どうすればいいか、言ってほしい」となりますよね。

そういう時は、具体的に伝えてみましょう。例えば、「担任の先生が、突然家に来て、どうしたらいいかわからない」ではなくって、「担任の先生が、突然家に来たら『帰ってください』って言ってもいいですか?ダメですか?」「子どもに合わせたほうがいいですか?合わせないほうがいいですか?」「子どもが嫌がって会いたがりません。子どもに『先生がわざわざ来てるのよ。合わないなんてダメです』と言ったほうがいいですか?言わないほうがいいですか?」等具体的に、話してみたら少しは答えが返ってくるかもしれません。

 

スクールカウンセラーになにかして欲しいとき。

「担任の先生何とかして~」ではなく、具体的に、例えば「担任の先生に、『電話は、5時までにかけてきてほしい』と伝えて欲しい」場合。もちろん自分で担任の先生に言えたらいいのですが、「口も聞きたくない」とか「担任と話すと疲れる」場合などは、スクールカウンセラーさんに、動いてもらうのもいいでしょうが、そういうことは全くしてくれないカウンセラーさんもいます(むしろそのほうがいいカウンセラーのことがあります。)

 具体的にしてほしいことを伝えるのと、してくれるのか、してくれないのか確認すること、いつまでにしてくれるのかを確認しておくこと、次のカウンセリングの時に、してくれたかどうか、確認すること。「言ったんだから当然やってくれる」ではないのが、常識では考えられませんが、それがカウンセリングの世界です。

 びっくりするかもしれませんが、「~して欲しいって気持ちになってるんだな」ということで、「どうしてそうして欲しい、と思ってるのかに注目してカウンセリングを進めていこう」と考えて、実際に担任の先生の伝えるとこはしない。というカウンセラーもいます。というか、守秘義務をきちんと守ってくれてるってことです。

 かと思えば、担任の先生や教育委員会に話が筒抜けということも。うちの学校のスクールカウンセラーはどのタイプでしょう。

 

スクールカウンセラーの上手な活用方法

 前述したとおり、大抵は1時間、ひたすら話を聴いてくれます。カウンセラーさんをゴミ箱だと思って日頃の思いを言葉にして吐き出していきましょう。何度もやってるうちに考えがまとまったり、気分が落ち着いたりすると思います。

 吐き出した後は、インプットしやすいので、本を読むとすんなり頭に入ったり、アイデアが浮かびやすいこともあるみたいです。

 

無料のようで無料でない

 民間で、同じサービスを受けるとしたら1時間5000円が相場です。少し混んでるカウンセラーさんだと1時間1万円という人も珍しくありません。もちろんスクールカウンセラーさんにも相当のお給料が支払れています。(時給5000円で働いてるというわけではありません)

 市民税納めてるのだから、上手に活用しましょう。