病院に行く?

「今日は学校休む。しんどい」と言ったら、やっぱり病院に連れて行ったほうがいいかなって思いますよね。本当に体のどこかが病気だったら、早く適切な治療を受けたほうがいいでしょう。子どもの訴えには真摯に耳を傾けたいです。

 「仮病?」って思っても、「お腹が痛い」「頭が痛い」などの訴えがあるのなら、小児科や胃腸科、頭痛外来などで、身体的に病気なのかどうかを確認することは大事だと思います。

身体的な病気と診断を受け、その原因がストレスだとしたら、何がストレスなのかを考えないと、同じストレスを抱えたままでは、病気がよくなるでしょうか。

 もし、特に身体的な病気はないとなったら、もしくは身体的な病気を治療したとしても、辛さを訴えるなら、医師の治療を受ける以外の方法をを考えてみませんか?

 

「不登校」は病気?

「学校に行かない」は、病気でしょうか?病名は「不登校病」?。学校に行かないことは「状況」です。「疾患」じゃないので、病院で治療してもらえるのでしょうか?

 

 学校に行けない理由として身体や精神が病気にかかってることはあります。そうでないこともあります。

病気で学校を休むのは、不登校ではありません。病欠です。

学校の先生はよく「精神科の病院で診断書をもらってきてください」というケースも多く、「病欠一人」と「不登校一人」では学校にとって、何かが大きく違うようです。

何しに病院へ?

病院に行ったら不登校の原因が分かるかな?治し方もわかるのでは?と思う方もいますが、不登校は疾病(病気)ではありませんので、治療の対象ではありません。厳密には「不登校が治る(完治する)」という言い方はしません。(けど、親の会などでは「なおる」という言葉はよく出ます)

 

何をしてもらいたいのかしっかりと目的を持って受診しましょう。病気にかかってるかどうか診断してほしい。というのもアリですが、たとえば、昼夜逆転、夜眠れない。睡眠障害かどうか、診断治療を受けたい。朝起きれない、起立性障害か?、診断治療を受けたい。しんどい、気分がどんよりしてる、うつ病?、診断治療を受けたい。

で、「睡眠薬出しましょう」「軽い安定剤出しましょう」とお薬を頂いても、原因のストレスが解消されないままだと、お薬の力で一時的には眠れたり、出かけられたりしますが、原因が解決されてないので、そのうち、症状が悪化し、お薬を増やすことにつながりかねません。使う薬の中には、勝手にやめると危険なものも多く、医師と相談して減薬していくのですが、学校に行けない心の原因が解決してないので、症状は、軽くならず、何十年と、服薬し、不登校の年齢を過ぎて、ひきこもり、ニート、精神障害者となる例も少なくないです。中学3年生(15歳)から、お薬を服用して10年たつと、25歳です。

 

お薬を飲むと、なぜか学校に行けない、心の奥のことが、解決するのでしょうか?完治できるのでしょうか?

 

 

医師の役割。病院の業務範囲

思春期外来のお医者さんだから、小児科のお医者さんだから、子どものことをよく理解してくれる・・・と思ったらそうでもないかも。

医師の仕事は、「診断」と「治療」です。「診断」とは、何の病気かを決めること。そのために検査の指示を出したりします。「治療」は、手術をしたり、リハビリのオーダーをしたり、薬を出すこと。これらのことは患者だけに行います。患者の家族には行いません。お母さんがしんどくて治療を必要とするなら、お母さんのカルテを作って診察をうけてください。意外に思うかもしれませんが、「相談」や「説得」はしてくれないかも。精神科の医師もです。

精神科の医師の中には「臨床心理士」の資格をを持ってる方もいます。でも、ペーパードライバー状態の方も少なくないようです。「心理療法」と「診察」は違います。心理療法をするのは、臨床心理士の仕事です。

 病院によっては、医師の指示によって、保健適応(多くの方は3割負担か、市町村によっては小児の場合無料)で、臨床心理士の心理療法を受けれる病院もあります。

 

お医者さんに対するイメージ

 中には、心優しい医師がいて、お父さん・お母さんの相談にのってくれる方もいますが、それは善意からのサービスであることを知っておきましょう。

 ついつい、「先生、学校にはどう言ったらいいでしょう?」とか「お父さんが理解してくれない」と話してしまいがちですが、それは冷たいようですが、「診断」「治療」とは外れていて そう話したとたんに無視されたり、「そんなん知らんがな!!!」と言われ、「この先生、冷たいわ」とびっくりするかもしれないですね。また、「こうしたらいいですよ」という話はその医師の個人的な主観であって、 適切な対応につながらないことも残念ながらよくあります。

 私たちはお医者さんは優しくて親切で賢くて何でも知ってる、何でも治せる、うちの子を学校に行かすことができる。というイメージを持っていませんか?医学的なことは長けていても、教育的なことや生活面では意外にもそうではないかもしれません。医師でも子持ちの人もいますが、我が子の授業参観にも、懇談会にも行ったことがないという医師も珍しくはないです。だって、病院に行ったら、「子どもの入学式・授業参観のため休診」なんてことないでしょ?

 医師自身は小学校から、地元の公立の学校ではなく、国立・私立という方も珍しくないので、地域の状況をご存じない方もいらっしゃいます。ご自身の学生生活は大変優秀であったはずです。多くは、中学校から有名私立、偏差値は70以上あって医学部に合格できて、医師になっているのです。学力的に優秀な方たちです。「できない」「わからない」ということを理解していただけないこともあるかもしれません。「私も学校に行けなかった時期がある」といっても、その後、医学部に行ってるわけなので、特異なケースといえるでしょう。多くの医師は高収入です。経済的な感覚にも隔たりを感じることもあるでしょう。先生(医師)にとっては安いものでも、うちにとっては高額ということも。

 

 

何科に行く?

 一般的に精神科では子どもは見てくれないところが多いです。受診しようとして電話で予約を入れるときに断られこともしばしば。

 「小児精神科」「児童精神科」「思春期外来」「発達外来」の専門医の数が少ないので、2時間くらいかけて通院してる人も珍しくありません。また、半年待ちなどということも珍しくないです。せっかく行ったけど、医師との相性が合わないこともありますし・・・。子どもが行きたがらないことも。

 そんな時どうしたらいいのかをフラワーズでは話し合ったりもしています。 

 

 

初めて行くときは

時系列の経過メモを持っていくのをお勧めします。メモは、カルテに貼ってもらえるように、小さめの紙がいいでしょう。自分用にコピーを取っておくことも忘れずに。(っていまどき、電子カルテですから、カルテに貼り付けることはないかも)

 

たとえば、こんな感じ・・・。

 

4月4日  中学校 入学式

5月25日 腹痛で欠席。下痢などなし。

6月2日  腹痛で欠席。下痢などなし。

7月3日  「学校に行かない」と言って休む。担任の先生家庭訪問あるも本人は会わない。

7月4日  何度起こしても布団から出ない。「悪口が聞こえる」と言う。以後、登校せず。

7月10日  父親と口論。壁に穴をあける。

7月12日  「病院に行きたい」と言う。

 

 あと、聞きたいことを箇条書きにしておくのもいいと思います。