誰を頼る?①

 毎日の生活の中でも困難なことに出くわすことがしばしばあります。

 例えば、病気になってしまうとか。初めは「咳が止まらないなー」ということから、市販薬を使ったり、民間療法で自分でなんとかしようとするものの、それでよくならなかったら、専門家「医師」の力を借りようということになります。

 自動車事故なら、専門家は「保険会社の人」。

 裁判になったら「弁護士」。

 親の介護なら、「ケアマネージャー」。

 家が雨漏りしたら、「工務店」や「大工さん」「住宅メーカー」が専門家というところでしょうか?

 

 「人生の困りごと」まずは自分で解決しようとしますが、ある程度の範囲を超えたら専門家にお願いしますよね。

 では、こどもが、「学校に行きたくない」という困り事。保護者自身の経験から、怒ったり、諭したりして、ご自身なりの対応で解決しようとされたことでしょう。担任の先生はじめ学校の先生の関わりで、うまくいくケースもあります。でも、それでもうまくいかなかったら、専門家に相談。「学校に行きたがないのだから、担任の先生が、専門家の役割なのでは?」と思われがちですが、意外とそうではないことが多いです。

行き渋っているのであれば、学校にいてる数時間、担任の先生がどのように関わるかは大きく影響します。先生たちがこどもに居心地の良い居場所を提供できるなら、こどもは、学校に進んで通うと思います。全く登校しない状況であれば、担任の先生はこどもの状態を把握できません。そんな状況で、適切な対策や保護者へのアドバイスをできるでしょうか?「先生には会わへんで!」とこどもが言っているのであれば、尚、難しい。こどもが、再び学校を活用したくなって、「保健室行こうかな」とか「遠足は行きたいねん」と言い出したら、担任の先生の出番です。

また、公立の学校の場合、学校の先生から民間の団体・施設を紹介されることは、「公平性」という点であまり行われません。

 

 何日も登校してない、先生にも合わない時期では、誰に頼ればいいのでしょう?たくさん不登校児にかかわり、経験が豊富で、知識を持っている専門家というのは、誰なのでしょう?まだまだ今の日本では、どう対応するのがいいのか、意見が分かれているのが現状ではないでしょうか?

  

 また、小児科や精神科の医師は不登校を解決するのが仕事ではなく病気を治す(治療)が仕事です。不登校は病気・疾患では、ありません。学校に行けない・行かないという状態です。

 

 保護者は、何人もの不登校児に関わったことがあるわけでもなく専門知識があるわけではないのに結局は、保護者が「専門家」のようなことをすることも多いです。

 医師が、理学療法士にリハビリの指示を出したり、薬剤師に薬の調合や飲み方の指導の指示をだしたり、レントゲンの指示を出すように、親が、家庭教師やカウンセリングを依頼したり、フリースクールを探したり、家庭児童相談室に足をはこんだりと、中心的に動いていくことになります。

 インターネットを開いたら、「不登校はうちにお任せ!」という団体もあります。そういうところを活用するのもアリです。でも、場所や、価格がおりあわないときは、親の会で情報交換していくことから始めるのも方法の一つだと思います.

 

 今の日本では、不登校に対して十分な解決策や支援が確立されていないように思います。でも、私たちは、今日、「学校に行きたくない!!!」というこどもを目の前にしています。親の会の私たちも、悩みの中ですが、何十人もの事例があります。その中には、あなたとよく似たケースもあるかもしれませんし、成功例、失敗例、どちらからも参考になることがあります。共に考えながら進んでいけたらと思います。

まずはお気軽に、参加してみてください。